手堅く組んだつもりの住宅ローン、思いがけないアクシデントで返済に行き詰まり、自宅の売却を検討する方が増えてます。
愛着ある不動産を売却するからには、「少しでも有利な条件で」「生活再建に活かせる方法で」とお考えでしょう。
任意売却を正しく理解し実行すれば、その可能性は高まります。
この記事ではその全容を掴むため、任意売却とは何か、メリットとデメリットを解説しています。
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まずは、住宅ローン返済の滞納が続くとどうなるのか、時系列にわけてみましたので確認しましょう。
返済滞納 1~3か月
この段階では、金融機関から支払いを催促する「催告書」や「督促状」が債務者の手元に届きますが、 競売へ移行されることはありません。
しかし、滞納1回目の翌日から、年利14.6%の損害遅延金が加算されます。
金融機関は、信用情報機関へ住宅ローン返済の滞納「事故情報」があると、それを速やかに報告しなければならない義務があります。
そのため、一般的には3回目の支払いが延滞した時点で、信用情報機関に事故情報が登録されることになるのです。
つまり、債務者が「ブラックリストに載る」とは、これを指します。
返済滞納4~6か月
この時期になると金融機関は「期限の利益喪失」という名目で、住宅ローンの一括返済を債務者に請求することができます。
それが不可能なら債権を保証している保証会社は、債務者に代わり金融機関へ「代理弁済」をおこないます。
これは債権者が保証会社に変更になるだけで、債務者の支払い義務は当然残ります。
滞納が6か月を過ぎると、保証会社は裁判所へ競売の申し立てをおこない、その後「競売開始決定通知」が債務者の手元に届くことになります。
このように、競売が決定されるまでの猶予期間は「6~7か月程度」と知っておいてください。
任意売却とは?
金融機関が裁判所を使い強制的におこなう競売と違い、民間業者の仲介により一般市場で、通常の取引と同じく担保不動産を売却する方法です。
そのため、ある程度の所有者希望も反映され、少しでも良い条件で物件を売却し、残債の軽減を可能とします。
ただし、融資を受けた金融機関(抵当権者)と、利害関係者(保証人・共有者)がいる場合は、全員の承諾が条件になります。
2009年リーマンショック時の「中小企業金融円滑化法」が、住宅ローンに苦しむ個人にも適用されるようになりました。
それ以来、市場に出回る競売の物件数は減少しつづけ、任意売却の物件数が増加する傾向が見られます。
住宅ローン返済の滞納が3か月になると、金融機関から「期限の利益喪失通知」が、同時に保証会社から「代位弁済通知」が手元に届きます。
もうこの段階になったら、任意売却を決断すべきでしょう。
自宅不動産を任意売却するメリット
ここからは実際に任意売却するメリットの具体例を、競売と比べて解説します。
競売より高値で売却ができる
競売の相場は市場相場の7割以下、立地が悪いと6割以下となることも珍しくありません。
任意売却は物件の市場相場と同等か、それに近い価格で売却することを目指します。
そのため、競売と比べ売却後の残債額を大きく減らすことができ、生活と収入に見合った無理のない残債返済計画(月額5,000円~3万円程度)の交渉が容易です。
売却後の生活再建に向けて、競売と比べて精神的に金銭的にも有利と言えます。
プライバシーが守られる
競売は、現況調査や入札用の室内外の写真撮影などを目的に、不動産鑑定士や執行官がひっきりなしに自宅に来ることになります。
そのため、室内外の写真や生活模様などの詳細が、新聞に掲載されインターネット上にも公開されます。
これでは競売の事実が、ご近所や親族に知られてしまいます。
その時に受ける精神的ダメージは、家族にストレスを感じさせることもあるでしょう。
一方、任意売却は通常売却と同じ流れで進めるため、強いストレスを感じることなく売却することが可能になるのです。
ある程度の要望を言える
家庭にはそれぞれの事情があるもので「子供の受験が迫っている」「新学期になったばかり」「家族の生活環境は変えられない」そんな思いも多いでしょう。
任意売却なら「引越しのタイミング」「売却後も住み続けるリースバック」などの要望が叶う可能性が高まります。
引越し費用や諸費用が売却代金から払える
不動産会社の交渉力によっては、売却代金から引越し費用を捻出してくれる場合があります。
不動産取引にかかわる「仲介手数料」「登記関連費用」そして「司法書士に払う費用」なども、大きな金額となり負担になります。
任意売却の場合は、これらの費用を事前に準備することなく、自宅の売却価格から払えることがメリットです。
ただし、分譲マンショの高額な管理費の滞納金、固定資産税や健康保険税など租税を滞納した場合の差入金などは自前の費用となります。
自宅不動産を任意売却するデメリット
苦悩する債務者の救世主のような任意売却ですが、メリットがあればデメリットもあります。
売却価格と売却期限を決めるのは債権者
金融機関にとっては、残債がある中で抵当権を外すことは異例なことになります。
そのため、決めごとはすべて金融機関側の意向に沿った内容になるでしょう。
売却金額を決定するのも金融機関、売却価格により回収金額が変わるため、市場相場に近い売りやすい金額を査定してきます。
そのため「もうすこし高く・長く」などの要望は、受け付けられません。
また売却期間も金融機関が決定しますが、それは債権者に与えられた競売までの猶予期間と理解しましょう。
猶予期間内に売却が成立しない場合は強制的に競売で処分され、その最終リミットは競売開札の前日までとなります。
自ら売り主として販売促進に努めなければならない
裁判所の主導でおこなう競売と違い、所有者が自分で仲介業者を探す、売主として物件の売却活動に積極的に協力する必要があります。
たとえば、通常売却のように内覧を希望する人全員に、隈なく家の中を見学させる必要があります。
その時の接待は不用ですが、購入希望者の内覧数だけ立会う必要があり、家族の時間を取られてしまうデメリットがあります。
その時、近隣にいろいろな問い合わせをする可能性もあり、ご近所の方に知られてしまうリスクも含んでいます。
しかし、スムーズに成功させるためにも、所有者は販売促進に協力する姿勢が大切となります。
デメリットと誤解される事柄には注意
判断を間違え機会を逃してはなりませんので、任意売却にまつわる勘違いや誤解を理解しておきましょう。
そのひとつ「ブラックリストに載ってしまう」ことは、任意売却が原因ではなく、住宅ローン返済の滞納によりそうなるので競売も同じです。
また「自己破産することになる」これも勘違い、以前の任意売却は自己破産手続きでの自宅処分方法であったため、今でも通説になっています。
自己破産するかどうかは自分で決めるもので、任意売却とは切り離して検討することです。
また「残債は払いたくない」「収入の目処が立たない」といった理由で、自己破産の申請をする方も多くいます。
そんなことから、任意売却すなわち自己破産とのイメージが広がり、誤解を生むようになったのです。
まとめ
任意売却は時間との勝負、競売までの猶予期間は初滞納から6~7か月程度、実質は4か月程度です。
そのため「必ず成功するとは限らない」ことも、念頭に置いてください。
なによりも、実績が豊富な信用のおける不動産会社に、早めに相談することをおすすめします。
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