住宅の買い替えは、お客様の資金計画やご事情によって、先に自宅を売却するか、先に住み替え先を購入するかの2つの選択肢があります。
今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリットと合わせて、手続きの具体的な流れや注意点を解説します。
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先に自宅を売却してから住み替え先を購入する「売却先行」と、住み替え先を購入してから自宅を売却する「購入先行」は、具体的にどのように進めるのでしょうか。
まずは売却先行の買い替えについて確認しましょう。
売却先行の買い替えの特徴
自宅を先に売却して資金を確保することで、購入に当てられる金額が確定するため、資金計画が立てやすいというメリットがあります。
一方、時間的余裕が少ないため、自宅の引き渡しまでに住み替え先が決まらなければ、一旦仮住まいなどに移る必要があります。
具体的な流れ
それでは、具体的な流れを確認してみましょう。
わかりやすいように、売却に関わる手続きに[売]、購入に関わる手続きに[買]と印をつけます。
[売]自宅の売れる価格を把握するために査定をおこないます。
[売]不動産会社と相談して売り出し価格を決め、媒介契約を結んで売却活動を開始します。
[買]同時進行で、自宅の売れる価格を踏まえて資金計画を立て、住み替え先の物件探しを始めます。
あらかじめ、金融機関でいくらくらいまでの住宅ローンが借りられるかの事前審査を受けておくと良いでしょう。
ただし、売却活動中は自宅に案内が入ると立ち会う必要があるため、週末の予定を開けておく必要があります。
売却の契約が決まるまでは、住み替え先の物件探しは平日におこなうなどの工夫が必要かもしれません。
[売]買主からの申し込みがあれば、引き渡し日などの諸条件を調整して売買契約を締結し、1割程度の手付金を受領します。
このとき、引き渡しまでの期間が長いほうが、住み替え先を探しやすくなりますが、長くても3ヶ月程度となります。
[買]住み替え先の物件も順調に決まれば、諸条件を調整して売買契約を締結します。
購入先の引き渡しは自宅の引き渡し日以降になるため、自宅を引き渡してから住み替え先に入居するまでの期間をできるだけ短くするよう調整する必要があります。
売買契約時には、1割程度の手付金を支払います。
[買]売買契約後に住宅ローンの申し込み、審査がとおったらローン契約をします。
住宅ローンが残っている場合や、売却代金を買い替え先の購入資金に充当する場合は、残高証明や売却の売買契約書なども提出します。
[売]残代金を受け取り、自宅を引き渡します。
住宅ローンが残っている場合は残代金で一括返済し、抵当権抹消の手続きも同時にします。
[買]購入物件の残代金を支払い、引き渡しを受けます。
売却先行の買い替えで注意すべきポイントは、売却と購入の決済(残代金支払いと所有権移転の手続き)はなるべく間を開けずにおこなう必要があるということです。
この期間が空いてしまうと、自宅の荷物を預けたり、ホテル住まいなどが必要になることがあるため、同日に2件の決済をおこなうこともあります。
また、自宅の引き渡しまでに購入先が決まらない場合は、一旦仮住まいに移る必要があるため、引っ越しが2回になってしまうリスクがあります。
購入先行の買い替えの流れ
次に、購入先行の買い替えについて確認しましょう。
購入先行の買い替えの特徴
住み替え先を先に購入することで、希望条件に合う物件をじっくりと探せることが大きなメリットです。
また、仮住まいなどの必要がなく、引っ越しもスムーズにおこなうことができます。
自宅の売却活動も、空き家にしてからスタートすることで案内立ち合いの煩わしさがありませんし、ホームステージングなどの戦略も取りやすくなります。
ただし、住み替え後も前の自宅の購入者が決まらない場合、その期間は二重ローンの支払いが必要になります。
また、自宅の売却代金を買い替え先の物件の購入代金に充てる場合、購入先の引き渡し日までに売り切る必要があるため、不動産買取などで仲介よりも安く売却せざるを得ないケースもあります。
具体的な流れ
[売]購入先行の場合でも、先に自宅の査定をおこない、売れる価格を把握したうえで資金計画を立てることをおすすめします。
[買]自宅の査定価格を元に、購入先の資金計画を立て、希望条件を整理して物件探しを始めます。
このとき、自宅が売れるまで残債を残したままでも購入先の住宅ローンが組めるかなどを金融機関に相談し、事前審査を受けておくと良いでしょう。
[買]気に入る物件が見つかったら、諸条件を調整して売買契約を締結し、1割程度の手付金を支払います。
このとき、購入の売買契約に「自宅が指定の期間に売却できなければ白紙解約にする」という特約をつけることもできます。
これを「買い替え特約」と言います。
[売]住み替え先の契約を進めると同時に、媒介契約を締結して自宅の売却活動を始めます。
引っ越しまでに案内が入る場合は、居住中のため立ち合いが必要になります。
[買]購入先の住宅ローンの申し込み・ローン契約をします。
[買]購入物件の残代金を支払い、所有権の引き渡しを受けます。
この日以降は引っ越しが可能ですが、自宅が売却できていない場合は二重ローンの支払いが始まります。
また、二重ローンが認められない場合は、別の金融機関から売却期間中のつなぎ融資を受けることもできます。
つなぎ融資は、住宅ローンよりも金利が高くなりますので確認しておきましょう。
[売]自宅が空き家になったら、不動産会社に鍵を預けておけば案内時に立ち合う必要はありません。
ハウスクリーニングやホームステージングなどで検討者の第一印象をよくしておくと、スムーズな売却につながるでしょう。
[売]購入申し込みがあれば、諸条件を調整して売却の売買契約を締結し、手付金を1割程度受領します。
[売]残代金を受け取り、所有権を引き渡します。
このとき、住宅ローンの残債を売却代金で一括返済し、抵当権の抹消手続きを同時におこないます。
購入先行の買い替えは、自宅の売却価格が確定しないまま購入代金を用意しなければなりません。
また、自宅が想定した価格で売れなかった場合は、当初と資金計画が狂ってしまうリスクがあります。
買い替えの流れは資金計画によって変わる?
売却先行と購入先行には、それぞれメリットとデメリットがあります。
お客様の事情や資金計画によって、どちらの戦略が良いのかは変わってくるため、まずは自宅の住宅ローンの残債額と自宅の査定価格を正しく把握することがスタートになります。
住宅ローン残高が査定額よりも少ない場合
住宅ローンの残高が査定価格よりもかなり少なく、手元資金に余裕がある場合は、万が一自宅が安く売れたとしても資金がショートすることはないため、購入先行の買い替えが可能です。
住宅ローン残高と査定額が近い場合
住宅ローンの残高が多く、査定価格とあまり変わらないという場合は、売却先行で売却価格を確定させてから住み替え先を探す必要があります。
住宅ローン残高が査定額よりも多い場合
査定額よりも住宅ローン残高が多い状態のことをオーバーローンと言います。
この場合、自宅を売却しても支払いきれなかった住宅ローンの残りを、住み替え先の住宅ローンに上乗せする「住み替えローン」を組むことができます。
ただし、通常の住宅ローンよりも審査は厳しくなってしまうため、事前審査と綿密な資金計画が必要になります。
買い替えの諸費用
買い替えの際は、一時取得の時よりも多くの諸費用がかかることを覚えておきましょう。
購入には仲介手数料や印紙代、登記費用、ローン手数料、火災保険料などで購入代金の8%程度がかかります。
自宅の売却には、仲介手数料や印紙代、抵当権抹消費用などで売却代金の5%程度を予定しておく必要があります。
また、仮住まいやつなぎ融資が必要になった場合はその費用、自宅を売却したときに譲渡所得が発生する場合は譲渡所得税が必要になります。
まとめ
自宅の売却と住み替え先の購入を同時進行で考える買い替えは、個別の事情によって進め方が異なり、手続きも煩雑です。
効率よく買い替えを進めるには、信頼できるパートナーを探すことが何より大切です。
まずは当社にご相談いただき、ご不安を共有させていただくことからスタートしましょう。
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