入居者がいる賃貸物件を売却したいけれど、どのような手順を踏めば良いのか、そもそも売却可能なのか分からずお困りではありませんか?
賃貸中の物件を売却する場合、通常の不動産売却よりも注意しなければならない点やデメリットはもちろんありますが、メリットもあります。
今回は、入居者がいる状態で賃貸中の物件を売却する方法やメリット、デメリットをまとめました。
この記事を読むことで、入居者がいる状態での物件売却をスムーズにおこなうことができるでしょう。
ぜひ、参考にしてください。
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結論から言うと、賃貸中の物件でも売却することは可能です。
具体的には、2つの方法があります。
1つ目は、「オーナーチェンジ」という方法です。
2つ目が、「入居者に売却する方法」です。
ここでは、オーナーチェンジについて解説します。
賃貸中の物件を売却できる「オーナーチェンジ」とは
入居者がいる状態で賃貸物件を売却する方法の1つが「オーナーチェンジ」です。
オーナーチェンジとは、入居者がいる状態で賃貸物件の所有権および賃貸権を売主から買主に移転させる不動産取引。
文字どおり賃貸中の物件の「オーナー」が変わることであり、現入居者の条件を変更することなくそのままの状態で買主に引き継がれます。
売却すること自体は、入居者の許可を得る必要はありません。
所有権移転登記後、オーナー変更通知を「賃貸人地位変更通知書」などの書面でおこないます。
通知書に決まった書式はありませんが、新オーナーの氏名や住所、連絡先、オーナー変更日、契約内容に変更はないこと、賃料の新しい振込先などを記載すると良いでしょう。
賃貸中の物件をオーナーチェンジ売却する方法
オーナーチェンジの手順は、まずは入居者に購入意思や退去予定を確認します。
購入意思がある場合、売主にはいくつかのメリットがあるため必ず確認しておいてください。
そのメリットについては後述します。
次に、売却に必要な書類を準備しましょう。
賃貸物件の買主は、不動産投資家です。
そのため通常の不動産売却に必要な書類に加え、「入居者との賃貸借契約書」と「管理会社との管理委託契約書」、「図面やリフォーム、修繕履歴の分かる資料」の3つが必要です。
これらは、物件の査定に必要なので必ず用意してください。
また、売却する理由も書面にしておいた方が売却成功につながりやすくなります。
続いて、相場調査をおこないましょう。
価格は売主と買主の交渉によって決まりますが、賃貸物件は価格相場の変動が少し特殊になります。
その理由は、利回りなどの特殊な相場や、経済・金利情勢なども影響してくるからです。
納得できる価格で売却するためにも、相場調査は必ずおこなっておきましょう。
相場調査は、一般社団法人日本不動産研究所が発表している不動産投資家調査などで可能です。
その後、不動産会社と媒介契約を結び売買活動を開始します。
賃貸中の物件をオーナーチェンジ売却するメリットとデメリット
オーナーチェンジ売却は、売主にとってメリットとデメリットの両方があります。
メリットの1つ目は、入居者がいる状態で売却を進めるので売却期間中でも家賃収入を得られることです。
当然ながら、賃貸中に発生した収益は物件の持ち主のものです。
売却が完全に完了するまでは、引き続き家賃収入を得られるので安心です。
2つ目はデメリットと表裏一体ですが、比較的短期間で現金化できること。
というのも、入居者がいる状態だと現状が把握できないため、売却価格が通常の不動産売却と比べて安価になってしまうのです。
また、賃貸用物件は住宅と比較して売買の需要が限られています。
そのため、賃貸中という時点で空室よりも安価で取引されてしまうのが一般的です。
ただ、オーナーチェンジ物件は不動産投資用の物件として注目されており、安価=購入されやすいという傾向にあり、短期間での現金化が見込めるでしょう。
賃貸中の物件は入居者を退去させてから売却するのは難しい!?
賃貸中の物件を売却する際、注意するべき点が1つあります。
それは、入居者を強制的に退去させてから売却することは困難であることです。
前述しましたが、賃貸用物件は住宅と比較して売買の需要が限られているため、賃貸中だと空室よりも安価で取引される傾向にあります。
退去後であれば、リフォームや修繕をして売却価格に上乗せすることも可能ですが、入居中だとそれはできません。
また、入居者を強制退去させることは非常に困難です。
借地借家法第28条によると、「正当の事由」がなければ入居者に立ち退きを求めることはできないとされています。
正当な事由にあたるものは、「建物の老朽化」や「貸主が居住するのにその物件が必要になった」、「賃料滞納など借主側の不備」などであり、貸主の都合である「売却のため」は認められないのです。
もしも、入居者に退去を求める場合は賃貸借契約の契約期間満了の1年前から6か月前に交渉をする必要があります。
正当な事由がない場合は、「立ち退き料」を支払うことで交渉することも可能ですが、いくら支払えば立ち退きに応じてもらえるかも不確かです。
あくまでも交渉であるため、期待はしない方が良いでしょう。
ただし、「定期借家契約」であれば可能です。
定期借家契約とは、同一の物件に居住する機関が決められている賃貸借契約を言います。
契約の更新を入居者に一任する「普通借家契約」とは異なり、契約更新は貸主と入居者双方の合意が必要となります。
そのため、貸主が合意しなければ入居者に物件から退去してもらうことが可能なのです。
ただし、定期借家契約では賃料が相場よりも安価になるため、売却することを想定して定期借家契約を結ぶ場合はよく検討しましょう。
賃貸中の物件を入居者に売却する方法とは?
ここからは2つ目の売却方法である、「入居者に売却する方法」を解説します。
賃貸中の物件を売却する場合、まずは入居者へ購入の意思があるか確認すると前述しました。
非常に稀なケースですが、賃貸物件が一戸建てや区分マンションの場合、入居者が購入することもあります。
その場合、新しい買主を探す時間や手間も省けますし、価格交渉も有利に進められる可能性があるのです。
このチャンスを逃さないよう、賃貸中の物件を売却する際は入居者への意思確認は必ずおこないましょう。
管理会社に間に入ってもらう、または自主管理の場合は不動産仲介会社に相談して売却することをおすすめします。
価格交渉や個人売買契約は直接おこなうこともできますが、相場や契約に関することで不備があるとトラブルになりかねません。
双方にとって安全な売買契約にするためにも、管理会社や不動産仲介業者などのプロに間に入ってもらうことをおすすめします。
まとめ
賃貸中の物件を売却する方法を解説しました。
入居者がいる物件でも、オーナーチェンジという形であればそのまま売却することは可能です。
オーナーが変わることについて入居者の同意は不要ですが、変更後は必ず「賃貸人地位変更通知書」などで必要事項を通知しましょう。
また、賃貸中の物件売却で大きな注意点ともいえるのが「入居者の強制退去は困難」ということです。
賃貸借契約の内容にもよりますが、基本的には賃貸中のまま売却する運びになることを認識しておいてください。
さらに、入居者に物件を売却する場合でもできるだけ個人売買ではなく、プロに間に入ってもらって価格交渉をしましょう。
安心安全な物件売買をおこなえるよう、下準備をしっかりとしておいてくださいね。
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