マイホームの買い替えを検討している方は、売却時に出た譲渡損失を繰り越すための控除についてご存じですか?
売却時に損失が出た場合でも、繰越控除ができる特例を使用することで税金を抑えることができます。
この記事では、マイホームの買い替え時に発生した譲渡損失を繰り越すための特例をご紹介しますので、マイホームの買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
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弊社へのお問い合わせはこちらマイホームの買い替え時に発生した譲渡損失の特例とは
マイホームを売却し譲渡損失が発生するとどのような控除が受けられるのでしょうか?
ここでは、マイホームの買い替えで損失が出た場合に、受けることができる控除の特例をご紹介していきます。
譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例とは
譲渡損失を損益通算及び繰越控除する特例とは、買い替えで出た譲渡損失を繰り越すことができる特例です。
この特例を受けるには一定の条件を満たす必要があり、条件を満たした場合のみ、マイホームの譲渡で発生した損失を繰り越すことができます。
繰り越すことができる期間は、3年間となっており、その間は所得から譲渡損失を引いた金額が実際の所得になります。
譲渡損失を繰り越すことで、所得税を大幅に減らすことができるので、損失が出たときには必ず使用したい控除です。
住宅ローン繰越控除と併用が可能
マイホームの買い替えで発生した繰越控除は、住宅ローン控除との併用も可能です。
住宅ローン控除は、入居時から10年間に渡って住宅ローン残高の1%が所得税から控除されるというものです。
この控除の、控除期間は10年間あるので、その期間内に買い替えをおこなうことで繰越控除と合わせて控除することができます。
たとえば、3,000万円の住宅ローン残高があった場合、住宅ローン控除で残債の1%が所得税から引かれるので、最大で30万円分の控除を受けることができ、これにくわえて譲渡損失で繰り越された金額分が控除されることになります。
控除を併用することで、さらに所得税を減らすことができるので、こちらも必ず使用したい控除です。
譲渡損失の繰越控除が適用される要件
繰越控除を受けるためには、たくさんの要件を満たす必要があります。
ここでは、繰越控除を受けるための要件を6つご紹介していきますので見ていきましょう。
所有期間による要件
まずは、所有期間による要件です。
譲渡所得の繰越控除を受けるには、最低でも5年以上マイホームを所有しておく必要があります。
ですので、5年経つ前にマイホームの買い替えを行なった場合には控除を受けることはできません。
また、譲渡する資産(住宅)は、日本国内に建ててあるものだけが繰越控除の対象となります。
住まなくなったマイホームは3年以内に売却しなければいけない
譲渡するマイホームは、住むのをやめてから3年以内に売却しなければいけません。
ですので、住むのをやめてから3年以上が経ってからマイホームを売却した場合は、控除を受けることはできません。
また、この控除は法改正によって令和5年12月31日までが控除の適用期限となったので、適用期間内に売却ができる方は期間内に売却を済ませるとお得になります。
マイホームを取り壊したときの要件
住まなくなったマイホームを取り壊して売却するときは、3つの要件すべてを満たしている必要があります。
まず1つ目は、所有期間による要件です。
取り壊しをした場合も5年以上所有していることが条件となります。
2つ目の要件は、売却までの期間に関するものです。
マイホームの取り壊しをおこなったときは、1年以内に譲渡契約を結び、住まなくなった時期から3年以内に売却しなければいけません。
3つ目の要件は、マイホームを取り壊してできた土地をその他の用途に使用しないことです。
更地になった土地を、駐車場や物置き場として使用するなど、本来の用途とは違う使い方をしていないことが要件となります。
譲渡する人物が第三者であること
マイホームを譲渡する人物が、第三者であることも控除を受けるための要件になります。
譲渡する人物が、親や兄弟などの身内でないことはもちろん、内縁関係者や同族の会社も控除の対象外となります。
新居に関する用件
マイホームを買い替えるときは、要件を満たした住居に住む必要があります。
住居の要件は、日本国内にある物件で建物の床面積が50㎡以上でなければいけません。
また、住居の取得は売却をおこなった年の翌年末までにおこなわなければ、控除を受けることができません。
さらに、新居に移住するまでの期間も取得から2年以内に済ませる必要があります。
住宅ローンに関する要件
新しい住居を取得したときは、住宅ローンの返済期間にも要件があります。
住宅ローンの返済期間は、取得から10年以上の住宅ローンを組まなければいけません。
借入金額に関する要件はないため、返済額を調整することで要件を満たすことができます。
返済期間の延長による金利の増加と、控除の金額を計算してより節税できる方を選びましょう。
敷地面積による要件
続いての要件は、敷地面積による要件です。
控除を受ける際は、マイホームが500㎡以内でなければ控除の対象外となります。
もし、マイホームの敷地面積が500㎡を超えている場合は、500㎡を超えた敷地のみ控除対象から外れることになります。
譲渡損失の繰越控除が適用外になる場合
ここでは、繰越控除の適用外になる場合をご紹介していきます。
適用外になると当然ですが、控除を受けられないのでしっかり見ていきましょう。
繰越控除ができない3つケース
まず1つ目は、合計譲渡所得が3,000万円を超える場合です。
譲渡所得が3,000万円を超える場合、買い替えをした年の控除は適用外となります。
2つ目は、償還期間10年以上の住宅ローンを組んでいない場合です。
マイホームの買い替えをしたときに、住宅ローンの返済期間が10年未満の場合は適用外となります。
3つ目は、買い換え前の住宅で敷地面積が500㎡を超える場合です。
敷地面積が500㎡以内に収まっているところに関しては控除の対象ですが、500㎡を超えた部分に関しては適用外となるので控除対象外です。
損失の繰越と通算損益どちらもできない4つのケース
まず1つ目は、譲渡相手が身内である場合です。
生計を同一にしている家族や、親族の内縁関係に当たる人物に譲渡した場合は適用外となります。
2つ目は、買い替え前の住宅で特例を受けている場合です。
買い替え前の住宅を売却した年から過去2年で、長期保有による軽減税率や、3,000万円特別控除などの特例を受けたことがある場合は、控除適用外となります。
3つ目は、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例を受けた場合です。
買い替え前の住宅を売却した年から過去3年で、この特例を受けている場合は対象外となります。
4つ目は、マイホームが複数あり、他の住宅で過去に特例を受けている場合です。
マイホームを複数所有しており、他の建物で売却した年から3年前までの間で、通算損益による控除を受けていると対象外とみなされます。
まとめ
マイホームの買い替えで発生した譲渡損失を繰越するための特例をご紹介しました。
買い替えによる譲渡損失を繰越控除するには、たくさんの要件を満たさなければいけません。
要件のなかには、1つでも満たせていないと控除対象外になることがあるので注意が必要です。
また、所有年数によっては税率を抑えて、控除金額を増やすこともできるので、要件をしっかり確認して節税対策をしてください。
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