日本では少子高齢化が進んでいて、亡くなった方の財産を処分しきれていない状況になっています。
その財産のうち、深刻な問題になっているのは空き家です。
空き家を放置しておくと倒壊の恐れがあり、放火など犯罪の温床になってしまう可能性があります。
そこで本記事では、空き家の家族信託について解説します。
原因や制度を事前に把握して、発生する問題処理を準備しておきましょう。
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空き家が生まれるには、いくつかの原因があります。
長期化している問題点なので、ご自身も該当するかを確認しておきましょう。
高齢者世帯の増加
内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、高齢者世帯は増加傾向になっています。
全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合に注目すると、昭和55年は24.0%でしたが、平成27年では47.1%まで上がりました。
高齢者世帯は入院や入所、相続などで空き家になってしまう原因になりやすいです。
また、高齢になると認知症を発症する可能性が高くなり、不動産の売買契約が無効になってしまいます。
子どもが代理人で委任手続きをすれば問題ありませんが、認知症がひどいと代理人すら立てられません。
認知症で判断能力が十分ではない方を保護する成年後見制度や、家族や第三者に財産管理を任せる財産管理委任契約を結ぶのがおすすめです。
相続人がいない・決まらない
相続人がいない場合、または決まらない場合も空き家の原因になります。
もし相続人がいなくて財産があるとき、相続財産管理人選任の手続きが必要です。
手続きをすると国庫に帰属され、空き家問題を解消できます。
相続人不在でも課税対象者がいないため、固定資産税が増えることはありません。
また、遺産分割協議をしても相続人が決まらない場合、不動産売却の手続きができずに放置された状態になってしまいます。
さらに共有登記もしていない状態であれば、二次相続が発生すると共有関係が複雑化して所有者の特定が困難です。
持ち家がすでにあって不要
持ち家がすでにある方にとって、実家の家を相続をする話が来ても不要でしょう。
最近新築で建てた場合かつ遠方に実家がある場合は、なおさら相続しても上手く活用しにくいものです。
別荘、または子ども承継という形であれば問題ありませんが、相続する本人の意思によります。
最終的に誰も承継しない意思になってしまうと、空き家の原因になりやすいです。
空き家における家族信託の制度
空き家が増える原因を理解したところで、どのような対策をすれば良いか悩むことでしょう。
そこでおすすめなのが家族信託の制度で、所有者が認知症前であれば安心して管理・運用ができます。
どのような制度なのか、確認してください。
制度の内容
家族信託とは、信頼できる家族に自身の財産を託す制度です。
いくら多くの財産を有していても、所有者が認知症にかかれば自由に動かせません。
そのため、認知症がかかっていない内に家族信託の制度を利用すれば、有意義に財産を利用できます。
預貯金から引き出せたり不動産を処分できたりするので、財産が凍結される心配がありません。
仕組み
家族信託の制度は3つの立場の方で構成されることで、財産を安心して利用できます。
構成は委託者・受託者・受益者の3つであり、認知症にかかる前に契約を済ましておくようにしてください。
委託者は財産の管理運用を家族や第三者に委託する方で、財産を持つ親が該当します。
受託者は財産の管理運用をする方で、息子や甥、孫など受託が適切な方が最適です。
受益者は財産から利益を受け取る方で、預貯金や不動産などが利益にあたります。
契約の流れ
契約は委託者・受託者・受益者の3者だけではなく、専門家も交えておこないます。
専門家がいることで、決めるべきことに漏れがなくなり、手続きがスムーズです。
契約では受託者の決定、信託の目的、管理や運用の方法などを取り決めます。
他にも信託監督人や指図権者も選べて、ケースバイケースに対応することも想定しておくと良いでしょう。
信託監督人は受益者代理人や受託者を監視する役割を持ち、指図権者は受託者に信託残さんの処分や管理を決める権利を持ちます。
親の死後に財産の分配方法で揉めることを避けたいなら、信託の終わらせ方も決めておいてください。
理由は不動産のままほしい方もいれば、売ってお金で受け取りたい方もいるからです。
空き家対策を家族信託でおこなうメリット
空き家対策のために家族信託をおこなうと、いくつかのメリットが得られます。
税金や手続きのしやすさがあるので、適切な管理と運営をしておきましょう。
贈与税が発生しない
家族信託をすれば、贈与税が発生しないメリットがあります。
財産を所有する親が受託者兼受益者になり、子どもが受託者となることが多いです。
上記のケースは不動産を親がそのまま受け取る流れになるので、贈与税が発生しません。
生前贈与であれば2,500万円までが贈与税がかからない範囲であり、相続税は相続した財産に応じた精算をする必要があります。
相続税まで対策するのを考慮しておく場合は、賃貸物件の建て替えがおすすめです。
処分は受託者が決める
親が生きていて不動産がある状態でも、処分は受託者が決めるメリットがあります。
売却しても解体しても受託者が決められますが、一任して誤った判断をすると大きな損失になるでしょう。
一任が不安な方は、信託監督人を選任して適切な運用と管理をするのが最適です。
信託監督人は専門の方に一任するのが一般的で、弁護士に任せると最善の対処法を助言してくれます。
仮に家族信託ではなく成年後見制度を利用すると、家庭裁判所の許可なしでは不動産の売却ができません。
手続きも必要になるので、スピーディーな判断を下したい場合は家族信託が適しています。
先の世代まで財産承継ができる
家族信託を利用すれば、先の世代まで財産継承ができます。
承継先がないから空き家になって放置されてしまう心配がなくなり、相続した方が有効に活用してくれるでしょう。
遺言書のように誰に何を相続させるのかも指定できて、トラブルなく財産を移転できます。
具体的には相続させるのは子のみに承継させるようにして、孫には承継させない工夫も可能です。
承継させない場合は自治体に寄附する記述をすれば、有効に活用してもらえます。
相続をさせない理由は不動産の築年数や人間関係、本人の気分など人それぞれですが、放置させないようにすれば問題ありません。
また、未登記の不動産がある場合は、早めに本人から聞いておくと良いでしょう。
財産の管理を放棄できない
信託法の忠実義務によって、財産の管理を放棄できないメリットがあります。
具体的には「受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない」といった決まりです。
つまり、管理する不動産が遠方にあったり、気持ち的に面倒だったりする理由があっても、放置してはいけません。
適切な処理をするまで、管理と運営を怠らないようにしましょう。
空き家を放置してしまうと老朽化して大規模な修繕が必要になったり、特定空家に指定される恐れがあるので注意してください。
まとめ
空き家が増加している傾向があるため、財産を所有している親がいる家庭は早めに対策しておくと良いでしょう。
信頼できる家族にご自身の財産を託す制度である家族信託を利用すれば、得られるメリットが多いです。
所有者が認知症になってからでは利用できないので、早めに利用するようにしてください。
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