不動産を売却する際は、告知書を作成して物件の状況を買主へ伝える必要があります。
しかし慣れない不動産売却では、作成方法でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産を売却するときに知っておきたい告知書について解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら不動産を売却するときに作成する告知書とは?
中古の不動産は新築時と異なり、経年劣化にともなう不具合や欠陥が生じている可能性があります。
購入前の内覧だけで買主がすべてを把握することは難しく、そのまま売買契約を結んでしまうと、引き渡し後のトラブルに発展してしまうでしょう。
そこで不動産売却においては、買主に対して告知書を提出します。
告知書とは、売却する建物や土地の状態について記載する書面のことです。
物件状況報告書とも呼ばれ、契約不適合責任を問われるような瑕疵について記載する必要があります。
契約不適合責任とは?
不動産売買において売主は買主に対し、売買契約書に記載されたとおりの不動産を引き渡さなければなりません。
契約不適合責任とは、契約内容に適合しないものを引き渡した場合に売主が負う責任を定めたものです。
告知書は、この契約不適合責任にまつわるトラブルを避けるためにも重要な書類の一つです。
告知書に記載すべき内容には、大きく分けて次の3種類があります。
●物理的瑕疵
●心理的瑕疵
●環境的瑕疵
それぞれどのようなものなのか、具体例を確認していきましょう。
物理的瑕疵
物理的瑕疵は、雨漏りやシロアリ被害の有無など、建物・土地自体に発生している不具合や欠陥のことです。
土地の場合は、隣地との境界で越境は生じていないか、地盤沈下・地中埋設物はないかなども告知書に記載します。
心理的瑕疵
心理的瑕疵とは、物理的な問題はないものの、購入をためらうような事由を意味します。
たとえば、事件・事故・自殺の有無などは心理的瑕疵に該当します。
国土交通省が公表している「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、自然死(孤独死ではないもの)・不慮の事故死以外の死亡事由は、告知義務があると示しています。
環境的瑕疵
周辺に嫌悪施設があるときは、環境的瑕疵があると判断されます。
たとえばごみ処理場や下水処理場、火葬場、薬品貯蔵庫などは告知すべき嫌悪施設に該当します。
また、振動・騒音、近隣エリアの開発計画など、将来起こりうる環境的瑕疵についても、判明している範囲で買主に告知しなければなりません。
不動産売却時の告知書は誰が作成するもの?
告知書を誰が作成するのかの定めはないものの、原則として売主本人が作成します。
売主の署名・押印欄があり、誰が作成したとしても売主に記入責任があるため注意しましょう。
告知書の記入例
告知書に定められた書式はありません。
多くの不動産会社ではフォーマットを用意していますので、それに沿って記入を進めていきましょう。
代表的な項目には、以下のものがあります。
雨漏り・シロアリ被害
雨漏りやシロアリ被害は、現在の発生状況はもちろんのこと、過去に発生しているかどうかも記載します。
そして修理や駆除をおこなっている場合には、実施箇所と時期についても記載してください。
建物の瑕疵
建物の瑕疵には、傾きや腐食といった不具合の状況を記載します。
アスベスト使用調査の記録
住宅の場合、外壁や屋根、軒裏などにアスベストが使用されている可能性があります。
アスベストは1975年より段階的に使用が制限され、2006年には使用・製造・輸入などが禁止となりました。
そのため、2006年以前に建てられた建物については、アスベストが使用されている可能性があります。
なお、一部の製品については2012年までの猶予期間が設定されていたため注意が必要です。
住宅の設計図書や仕様書に建材の製品名・型番などが記載されており、国土交通省の「石綿(アスベスト)含有建材データベース」で照合すれば、アスベスト建材であるかどうかを確認できます。
不明な点があれば、販売元の不動産会社や施工会社にご確認ください。
給排水設備の故障・漏水
給排水管の割れや漏水、にごり、詰まりなどの状況を記載します。
壁の内部の配管など、目に見えない箇所は売主でも不具合の有無を発見することは困難です。
このような隠れた瑕疵についても、売主は契約不適合責任を問われるため注意しましょう。
建物新築時の資料
建物新築時のパンフレットや設計図書、仕様書などがあるときには、告知書とともに買主へ提出します。
また、建築確認済証や検査済証などもあればご用意ください。
住宅性能評価
住宅性能評価の有無および、保存している評価書に関する情報を記載します。
耐震診断
耐震診断の有無および、各種証明書や評価書に関する情報を記載します。
増改築・修繕・リフォーム履歴
過去に増改築・修繕・リフォーム工事をおこなっていれば、その履歴がわかるもの(請負契約書など)を記載します。
インスペクション(建物状況調査)
インスペクションを実施している場合には、実施日と結果を記載します。
インスペクションでは、おもに以下の項目が調査対象です。
●構造耐力上の主要な部分(基礎や柱など)
●雨水の侵入を防止する部分(屋根や軒裏など)
●給排水管(水漏れなどの確認)
専門的な立場から建物の状況を調査するため、個人では分からないような不具合や欠陥も発見できる場合があります。
不動産売却においては、インスペクション実施済みの物件として売り出せるため、ほかの物件との差別化を図れるためおすすめです。
不動産売却で知っておきたい告知書作成の注意点
告知書を作成するときは、不動産会社に任せきりにせず、売主が主体となって作成するのが気を付けたい注意点です。
不動産会社の担当者は不動産売買のプロですが、物件の状況については所有者である売主のほうが精通していることでしょう。
そのため、基本的には売主本人が告知書を作成してください。
このほか、次の注意点に留意しながら告知書を作成していきましょう。
販売開始前に告知書を用意する
告知書に記載すべき項目は多岐にわたるため、作成には時間がかかります。
過去に実施した修繕・リフォーム履歴や不具合の対応状況も記載しなければならず、事実確認が必要なものもあるでしょう。
事実確認せずあいまいな記憶で作成してしまうと、記入漏れや誤記入の原因となってしまいます。
そのため、しっかりと時間を取れる販売開始前に告知書を完成させておきましょう。
もしインスペクションを実施するなら、その結果をもとに告知書を作成するのもおすすめです。
取得したときの業者に確認する
もしも不明な点があるときは、その物件を取得した当時の業者に問い合わせるのもおすすめです。
購入時・新築時の売買契約書や請負契約書がお手元にない場合も、当時の業者が控えを保管している可能性があります。
過去に実施した修繕・リフォーム工事の履歴も同様に、不明な点は当時の業者に確認しながら告知書を作成すると良いでしょう。
心理的瑕疵・環境的瑕疵も記入する
告知すべき心理的瑕疵・環境的瑕疵があるときには、そちらも記入を忘れないようにしましょう。
ただし、このような目には見えない瑕疵は人によって受け止め方は大きく異なります。
買主への対応次第では、不動産売却でトラブルに発展するリスクもあります。
そのため、告知書の記入はもちろんのこと、販売活動の方針についても、不動産会社の担当者と相談しながら検討するのがおすすめです。
まとめ
不動産売却で知っておきたい告知書について解説しました。
告知書には知っている情報を正しく記入しないと、契約不適合責任を問われるリスクがあります。
そこで、記入方法に迷ったときには、不動産会社に確認しながら作成を進めていきましょう。
不動産の窓口 メディア担当
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