相続により財産を取得したときにかかる相続税は、空き家を相続したときにも課せられます。
平成30年住宅・土地統計調査(総務省統計局)によると、全国に約849万戸ある空き家は年々増加の一途をたどっており、相続で空き家を取得するケースも増えているものと考えられます。
そこで今回は、相続で空き家を取得したときの相続税はどうなるのか確認していきましょう。
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空き家を取得したときの相続税はどうなる?
相続税とは、相続財産から基礎控除額を差し引いた金額に応じて課せられる税金のことです。
平成27年には相続税が改正され、基礎控除額は以下の金額に減額されました。
●改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の人数)
●改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
法定相続人が3人のケースでは、基礎控除額は8,000万円から4,800万円に減額されました。
この税制改正により、相続税の課税対象者は大幅に増加しています。
空き家をはじめとする不動産は評価額が高く算出されることがあり、起訴控除額を超えた部分には相続税がかかります。
小規模宅地等の特例による軽減措置がある
相続した不動産が実家の建物などの居住用財産であるとき、利用できる特例があることをご存じでしょうか。
一定の要件を満たしていれば小規模宅地等の特例に該当し、相続税評価額が減額されます。
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(特定居住用宅地等に該当する宅地等):限度面積330㎡、減額割合80%
そのほかの宅地(貸付事業用など)についても、限度面積400㎡もしくは200㎡、減額割合80%もしくは50%まで減額されます。
たとえば、1億円の小規模宅地であれば最大で2,000万円まで評価額が下がるため、小規模宅地に該当するときにはぜひ活用したい特例です。
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空き家の相続税の計算方法はどうなる?
相続により空き家を取得したときの相続税の、具体的な計算方法を確認してきましょう。
まず、相続税の評価額は以下の計算方法で算出できます。
●遺産総額=プラスの相続財産−マイナスの相続財産
●課税価格=遺産総額−(債務+葬式費用)
●課税遺産総額=課税価格-各種特別控除
空き家はプラスの相続財産に該当し、課税価格を計算するにあたり不動産としての評価額を調べなければなりません。
空き家の建物部分の計算方法
建物部分については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。
固定資産税評価額は、課税明細書や固定資産課税台帳などでご確認ください。
空き家の土地部分の計算方法
空き家が立っている土地については、路線価方式もしくは倍率方式によって評価額が決まります。
●路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積
●倍率方式:固定資産税評価額×倍率
路線価については、国税庁ホームページが公開している路線価図で確認できます。
そして倍率方式の倍率についても、国税庁の評価倍率表にてご確認ください。
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空き家の相続税対策とは?
相続が発生するタイミング別に、相続税の対策について確認していきましょう。
相続発生前:被相続人の同居家族になる
相続発生前であれば、生前から被相続人の同居家族になる方法があります。
同居していれば、小規模宅地の特例が適用されるようになるため相続税の対策につながるでしょう。
ただし、この特例の適用を受けるためには実際に引っ越さなければならない点にご注意ください。
住民票を移すだけでなく、事実上の生活拠点とする必要があります。
たとえば介護のため一時的に同居するといったケースは該当しないため注意しましょう。
しかし相続発生前でも、相続税の対策として被相続人との同居できる方ばかりではありません。
ある一定の要件を満たしていれば、「家なき子の特例」により土地の評価額を80%減にすることが可能です。
家なき子の特例には、以下の5つの要件があります。
被相続人に配偶者および同居親族がいないこと
亡くなった被相続人に配偶者がいないとは、独身であったか配偶者がすでに亡くなっている状態を意味します。
また、配偶者のほかにも同居親族がいないことが条件です。
相続開始前3年以内に、宅地を相続する親族は自己もしくは自己の配偶者の持ち家に住んでいないこと
この要件は、相続人が賃貸物件に居住していることを意味します。
さらに相続人の配偶者も持ち家がないことが条件に含まれているのでご注意ください。
相続した宅地を相続税の申告期限まで所有していること
「家なき子の特例」を利用するためには、相続発生から10か月後の相続税の申告期限まで保有している必要があります。
「家なき子の特例」を利用して評価額を下げたあとにすぐ不動産売却することは、本来の趣旨から外れてしまいます。
そのため、空き家を相続したあとすぐに不動産売却を予定している方は注意しましょう。
相続開始前3年以内に、土地を相続する人は「三親等内の親族」または「相続する人と特別の関係がある一定の法人」が所有する家屋に居住したことがないこと
平成30年の税制改正により、持ち家に住んでいないことの要件の範囲が広がりました。
相続税回避の目的で持ち家を親族や関係者の経営する企業の名義に変更したり、孫に贈与したりするといった「家なき子の特例」の本来の趣旨にそぐわない行為が見られるようになったためです。
相続開始時に住んでいる家屋を過去に所有したことがないこと
この要件も前項のものと同様、相続税回避のため作為的に持ち家を所有していない状態にすることを阻止するための項目です。
たとえば、持ち家を第三者へ売却し、その売却先へ家賃を支払い住み続けるといったことは認められません。
相続発生前:賃貸物件として小規模宅地の特例を受ける
小規模宅地の特例は、持ち家だけでなく賃貸物件として運用している宅地にも適用されます。
相続人が賃貸物件としての運用を継続すれば、土地面積のうち200㎡までの評価額を50%に減額できます。
なお、平成30年の税制改正により、相続開始までに賃貸物件としての運用を継続していなければならないという要件が加わりました。
相続開始直前に賃貸物件にしたり、相続時点では空き家だったときには小規模宅地の特例は利用できないのでご注意ください。
相続発生後にできる対策:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
空き家を相続したあとに、相続税を節税する対策はありません。
しかし、相続した空き家を売却するときには被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を利用できる場合があります。
一定の要件を満たしていれば、譲渡所得から最大で3,000万円が控除されます。
家屋部分については、以下の要件があります。
●昭和56年5月31日以前に建築された
●区分所有建物登記がされている建物ではない(マンションなどではない)
●相続発生の直前において被相続人が一人で住んでいた
●相続発生から売却までの間に、居住、賃貸、事業に使用されていない
そして相続人および不動産売却の要件は以下のとおりです。
●売却価格が1億円以下であること
●相続開始から3年を経過する年の12月31日まで、かつ、令和5年12月31日までに売却すること
この要件を利用するためには、土地と建物の両方を相続し売却している必要があります。
そのため、遺産分割により土地と建物を別の相続人が取得したときには、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を利用できないためご注意ください。
なお、被相続人と同居していたときにはマイホームを売ったときの特例により最大で3,000万円が控除されます。
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まとめ
ある日突然やってくる相続も、対策により相続税の課税額を抑えることが可能です。
ただし空き家の場合には、特例を利用するためには一定の要件を満たしていなければなりません。
相続税ではなく、不動産売却時の所得税を節税できる方法もあるため、空き家の相続でお困りの際は税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
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