平成30年住宅・土地統計調査(総務省統計局)によると、日本には現在、848万9千戸の空き家があることが確認されています。
平成25年の調査と比較すると約29万戸の増加となり、空き家の拡大は各地で問題となっています。
そこで今回は、どのような種類の空き家が問題となっているのか、適切な対処をせずに放置してたときのリスクとともに確認していきましょう。
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空き家の種類や分類とは?
そもそも空き家とは、どのような状態の建物を意味するのでしょうか。
国土交通省によると、以下に該当する建物が空き家と定義されています。
●1年以上誰も住んでいない状態
●1年以上何も使われていない状態
たとえば、数年にわたり誰も住んでおらず外観の劣化が進んでいるような家でも、所有者が定期的に出入りして物置などに活用していれば空き家には該当しません。
その一方で、外観や内装はきれいな状態が保たれていても、1年以上誰も住んでいなければ空き家とみなされます。
使用実態があるかどうかは、ライフライン(電気・水道・ガス)が1年以内に使用されているかどうかで判断されることが多いでしょう。
なおマンションやアパートのような集合住宅では、全戸が空室とならない限り空き家には定義されません。
そしてこの空き家は、空室となった理由に応じて以下の種類にわけられます。
賃貸用の住宅
賃貸物件として活用するために空き家となっている住宅は、賃貸用の住宅に該当します。
平成30年住宅・土地統計調査によると、全体の51.0%(約433万戸)を占めていることがわかりました。
築年数の経過や設備の陳腐化により競争力を失ったり、その状態になっても建て替えやリフォームができず放置しているようなケースが該当します。
または、売却や建て替えのためあえて空き家にしている物件も含まれています。
売却用の住宅
売却用の住宅とは、売りに出すことを目的とした住宅のことです。
全体の3.5%(約29万戸)を占めています。
不動産は売り出してもすぐに買主が見つかるとは限らず、売却活動が長引くと空き家に該当してしまうことがあります。
平均的な売却期間は3か月〜6か月ですが、長ければそれ以上の期間を要することもあり余裕をもった売却スケジュールを組むことが大切です。
二次的住宅
二次的住宅とは、別荘やリゾートマンション、セカンドハウスを意味します。
全体の4.5%(約38万戸)を占めており、地方のリゾート地では二次的住宅が多く見られる傾向にあります。
その他の住宅
上記の3種類以外の住宅はその他の住宅です。
入院・転勤などで長期的に不在状態が続いている、建て替えのため取り壊し予定になっている住宅が該当します。
その他の住宅は全体の41.1%(約349万戸)を占めていますが、用途が定まっていないため放置されやすい傾向にあります。
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増加傾向にある空き家の種類とは?
4種類ある空き家のうち、その他の住宅は増加の傾向にあります。
平成30年住宅・土地統計調査によると、2018年は約349万戸あり、10年前の2008年と比較して約81万戸増加しました。
それに次ぐ賃貸用の住宅は約24万戸の増加(2008年約448万戸、2018年約462万戸)であることからも、その他の住宅の増加率は高いと言えるでしょう。
その他の住宅が増加している背景
では、その他の住宅に該当する空き家がなぜ増加しているのでしょうか。
その背景には、少子高齢化による人口減少があります。
日本の総人口は2008年をピークとして減少に転じており、2048年には1億人を割り込むと見込まれています。
その一方で核家族化も進んでおり、実家が空き家となって放置されるケースが跡を絶ちません。
さらに日本人は新築住宅を求める傾向にあるため、空き家となった中古住宅の需要が高くないことも空き家が増加している理由です。
解体費用を工面できない
たとえば相続した実家が空き家状態になっていると、解体処分しようにも解体費用が負担となるケースがあります。
それが郊外に所在していれば賃貸物件としての需要も低く、活用されないまま空き家として放置される要因となります。
固定資産税が高くなる
空き家を解体できても、固定資産税が高くなる点に注意が必要です。
住宅が建っている住宅用地は、固定資産税の軽減措置が適用されます。
しかし空き家を解体して更地にすると、この軽減措置は利用できません。
固定資産税の税額が高くなってしまうことから、空き家をそのままの状態で放置する原因となります。
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その他の空き家に該当する種類の物件を放置するリスク
利用予定の空き家を放置することは、近隣トラブルなどさまざまなリスクを抱えることにもなります。
周囲の景観が悪化する
放置された空き家は老朽化が進み、汚損も目立つようになります。
周囲の景観をそこなうため、近隣住民から苦情となるだけでなく売却もしにくくなってしまうでしょう。
周囲の建物や通行人に被害がおよぶ
老朽化による倒壊や災害により建物が破損すれば、周囲の建物や通行人に被害がおよぶリスクがあります。
空き家を放置したことが原因であれば、所有者の責任として損害賠償を請求されるおそれもあります。
犯罪に巻き込まれる
放置した空き家は、犯罪の温床となるリスクにも注意が必要です。
犯罪者が侵入して活動拠点としたり、住み着いたりするケースが考えられるでしょう。
実際に特殊詐欺の活動拠点とされてしまったり、放火されてしまった事例もあります。
不動産価値が下がる
放置された建物は、外観や内装、設備の劣化も急速に進みます。
敷地内は雑草が生い茂り、不法投棄や害虫・害獣の発生をまねくことがあり、不動産価値は下落してしまうでしょう。
将来的に売却したくても、空き家の期間が長いと売れにくくなるリスクにも注意が必要です。
特定空家に指定される
空き家を放置するリスクをいくつかご紹介しましたが、とくに気を付けたいのが行政から特定空家に指定されるケースです。
以下に該当する空き家は、特定空家として勧告や命令などの対象になります。
●そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
●そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
●適切な管理がおこなわれていないことにより著しく景観を損なっている状態
●その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
特定空家は行政による指導や助言の対象です。
改善しないままで空き家を放置すれば、より強制力のある勧告・命令がおこなわれます。
さらに固定資産税の軽減措置も適用されなくなるため、特定空家に指定されたときには速やかに問題となっている状況を改善しなければなりません。
勧告にも従わないときには行政代執行により強制解体されるリスクもあるため注意が必要です。
空き家は不動産売却がおすすめ
空き家を放置するとさまざまなリスクがあることがわかりました。
そこで利用予定のない空き家は売却処分がおすすめです。
建物の状態が良ければ、中古住宅として高値での取引が期待できます。
老朽化が進んでいるときには、解体し更地にするか、古家付き土地として売却する方法があります。
いずれも空き家の状態などにより適切な売却方法は異なるため、不動産会社へ相談すると良いでしょう。
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まとめ
年々増加傾向にある空き家の種類や、空き家を放置することにより生じるリスクについて解説しました。
空き家として放置される期間が長引くほど、不動産価値が低下し売却が困難になるなどのリスクが高まります。
そのため、利用予定のない空き家はなるべく早く売却するなどの対応をおすすめします。
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